早速ですが、今回のオススメの本はこちら!
『NIGHT HEAD 1(1993)』飯田譲治 著
SF映画のレビューを見ていた時に、超能力ものでオススメされていた作品。
全く知らなかったので調べてみると、
ドラマが原作で当時(1992年)かなり話題になった作品だそうです。
生まれる前の作品なので知りようもないかと思っていたのですが、
2021年にスピンオフアニメが放送されていたらしく、
もしかしたら話題になっていたりしたのでしょうか。
ちなみにドラマの原案になったのは
『世にも奇妙な物語』で放送された「常識酒場」というお話。
常識酒場を脚本・演出した方が脚本・監督としてドラマを制作しているみたいです。
◆あらすじ◆
この世界に超能力は存在する。
超能力を持ったことにより両親と離別し、
研究所で暮らしていた霧原直人と直也の兄弟は、
研究所を隔離していた結界の消失に乗じて脱出を試みる。
強すぎる能力故に周囲から孤立していた二人は
普通の生活に憧れ、能力を抑えて暮らそうとするが、
二人の強い力にマイナスのエネルギーが引き寄せられ、
行く先々で凄惨な事件に巻き込まれてしまう。
とある現場で連続殺人犯の記憶を読み取ってしまった直也は
犯人に殺されようとする誰かの助けを求める思念に昼夜苦しまされ、
消えないイメージを払拭するため被害者の解明に乗り出す。
全ては「普通の暮らし」のため。
二人は初めて、自らの意志で能力を使うことを選ぶ。
タイトルに1とついているとおり、シリーズは全部で7作。
1~4がドラマに即した内容で、5(THE TRIAL) が続編。
6(DEEP FOREST) が前日譚及び後日談。
7(誘発者)が続編で完結編だそうです。
私は1~6(2巻ずつ纏めたもの)(角川ホラー)を読みましたが、
作者が脚本家ということで、小説とはまた違った見せ方だなと感じました。
続くのが大前提で進むので、シリーズごとの終り方は綺麗ではないかもしれません。
(ちなみにこの小説は結構レアなようで、新品はおろか中古でも状態の良いものはほぼなかったです。。。)
まず30年も前から【世にも奇妙な物語】がやっていたことに驚き、
ドラマに有名な俳優さんがたくさん出演していたことに驚き、
意外と最近アニメ化していたことに驚き。
どこかが違えば今までの人生で出会っていそうな作品なんですけどね。
物語にほぼ関係ないモブにもそれなりの描写があるため、
登場人物が多くてやや分かりづらさはありますが、
能力系の作品の中でも段違いに人物に焦点が当たっているので
SFアクションが苦手な方でも物語として読みやすいと思います。
超能力へのダークな解釈や練られた人物設定が
世紀末の当時らしい仄暗さをはらんでいて少しノスタルジック。
ちなみにNight Headの意味ですが、
『人間が使用していないとされている脳の容量である70パーセントの部分を指す言葉である。
人間が持つ不思議な「力」は、この70パーセントの部分に秘められていると言われる。』(本文より抜粋)
とのことです。
幼き日にポケモンの技名にあって、
謎の攻撃エフェクトに「何してるんだこれ」と思っていたんですが、
20年越しにやっと意味を知りました。
知ったところで結局よくわかっていないわけですが…笑