10回目の今回は、帽子クイズの発展編。
犯人も選択肢に加わって一筋縄ではいかないので、いろんな視点で考えてみましょう。
問題)
ABCはまたもや愉快犯に捕まってしまった。
犯人は三人に「赤いカード4枚」と「緑のカード4枚」を見せ、
三人の額に二枚ずつランダムに張り付けた。
残りの2枚は伏せたまま犯人のポケットにしまい、
「二巡するまでに誰か一人でも自分の額のカードを言い当てたら全員解放しよう」
「もちろん、間違えた場合は部屋ごと爆発するから慎重にな」
そう告げると、犯人はAから順にカードの内容を聞いていく。
A「わからない」
B「わからない」
C「わからない」
A「わからない」
B「わかった!」
Bは見事正解し、今回も三人は無事に逃げることができたのだった。
さて、Bのカードの内訳は何だったのだろうか?
*三人は自分と犯人以外のカードを見ることができます。
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解説)
正解は【Bの組合せは「赤・緑」】
帽子のクイズと同じ、前提と各視点を掘り下げて考えましょう。
前提①【あり得る組み合わせは「赤・赤」「緑・緑」「赤・緑」の三つのみ】
前提②【自分以外の二人が持つ4枚が同じ色の場合は即答できる】
この二つは忘れずに心にとめておきましょう。
では一巡目から考えていきます。
一巡目で誰もカードを即答できなかったことから、
前提②を踏まえて、三人の中に、
☆【同一色4枚のカードを持つ組合せは存在しない】ことが分かります。
そして二巡目。
『A「わからない」』という発言を受けたBの視点を考えていきましょう。
もし自分(B)が「赤・赤」だった場合・・・、
A「Bは「赤・赤」だ」
A「つまり自分(A)は「赤・赤」じゃない」
A「それに自分(A)が「緑・緑」の場合も『赤赤・緑緑』が場にあることになるから、
☆と①からC視点では『自分(C)は「赤・緑」だ』とわかるはず」
A「しかしCが分かっていない。つまり自分(A)は「赤・緑」の組合せなんだ!」
となるはずなのに、Aは「わからない」といった。
ということは、『自分(B)が「赤・赤」だった場合』という仮説が間違っているということ。
そして「緑・緑」の仮定でも同じことが言えるので、
B視点の残る選択肢は【自分(B)は「赤・緑」】のみ!
実際は犯人の持っているカードは全く関係ないにもかかわらず、
上手い具合に問題文のノイズとなっているのが面白いこの問題。
誰一人としてカードの色が明かされていなくても解けてしまうなんて驚きですよね。
以前の誕生日問題のように、それぞれの発言を順を追って考えてしまうと、
二巡目のA「わからない」で思考が止まってしまうので、
今回のクイズは、正解を導き出せたBの視点になって考えることが肝でした。