44という不吉な数字が並んだところで、
今回はちょっと怖い映画を巡ろうかと思います。
『アイデンティティ(2003)』
※グロテスクな描写があるので視聴の際はご注意ください※
初めはエドガー・アラン・ポーの映画にしようかなと思ったのですが、
その映画、確かものすごく退屈だったのを思い出したので、
とあるゲーム実況のコメント欄で名前を見かけたこちらにしました(笑)
余談ですが、なんと偶然にも主演が同じ人です。
ゲームについては、完全にオチの部分のネタバレになるのでタイトルは伏せておきます。
◆あらすじ◆
様々な事情でモーテルに身を寄せる11人の男女。
女優とその運転手。道で事故に巻き込まれた家族。
囚人とその護送中の刑事。結婚したてのカップル。
娼婦嫌いのモーテルの主人と娼婦。
見た目も性格もてんでバラバラな彼らは、
急な嵐で一晩モーテルに足止めされることになった。
隔絶されたモーテルで一人が無残な死体となって見つかる。
現場には部屋番号の書かれた鍵が残され、
一人減るごとにカウントダウンのように鍵の数字も減っていった。
連続殺人を止めるため刑事と元刑事の運転手が捜査を始めると、
11人全員にとある共通点があることに気が付く。
一方、裁判所では猟奇殺人犯の死刑囚マルコム・リバースの再審理が行われていた。
無関係に見えるマルコムと11人の男女。
その関係が紐解かれたとき、予想を覆す真実が姿を現す。
伏線の期待度とそれを上回る完成度の高いサスペンスを
90分でサクッと観られる良作です。
主人公は元刑事で運転手のエド(ジョン・キューザック)ですが、
この少し垂れ目で穏やかな犬っぽい顔って和みますよね。
知性の鋭さをちょうどよく覆っていて、サスペンスの緩急に合っているなと思います。
どんでん返しがあるよって言われてしまうと、
その気持ちで観てしまうので醍醐味が味わえないことが多いと思いますが、
この作品について話そうと思うと展開の意外性は外せないのでちょっとだけネタバレです。
そこら中に真実につながる伏線はあるのに
周到なミスリードもたくさんあって、
頭の天辺からつま先まですっかり騙された映画作品第2位です。
ちなみに第1位は少年と精神科医のあの映画。
どちらもどんでん返しの説得力が高く、
にもかかわらず鑑賞中の違和感がほぼない作品。
1位の作品はミスリードもですが視線誘導が秀逸だったので、
本作、アイデンティティより上位をつけました。
ちょくちょく書いている気がしますが、
映画という媒体で何者かの物語を追体験するにあたって、
その誰かの文化やバックボーンへの理解って満足度に直結していると思います。
この作品も、海外の時事にもよく目を通すよ~って方は
ピンとくるのが早いかもしれないです。
メインストーリーがしっかりある上で、
そのストーリーに沿った人物が犯人なのに、
最後まで真相がわからない。
ぜひ皆さんも、引き込まれるストーリー展開に翻弄されてみてください。