学生時代から読書が好きだったので国語や現代文の教科書が配られると
物語や小説は先に読んでしまう、ということをよくやっていました。
今回は教科書に載っていた個人的に印象に残っているお話をいくつか紹介したいと思います。
◆少年の日の思い出/ヘルマン・ヘッセ 著
中学生のときに国語の教科書で読んだお話です。
あらすじとしては、少年時代に蝶の標本集めにはまっていた「僕」が、
隣の家に住んでいる少年エーミールの蝶を盗んでしまい、
彼に軽蔑された末、標本集めをやめてしまうという内容。
思春期の頃の嫉妬や後悔がこれでもかという程詰め込まれています。
「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」
謝罪に訪れた僕に向けて、エーミールが言い放ったこの台詞が印象に残っています。
◆セメント樽の中の手紙/葉山嘉樹 著
高校の現代文の教科書で読んだお話だったかと思います。
有名な小林多喜二氏の『蟹工船』と並ぶ、日本の労働者階級を
描いたプロレタリア文学作品と言われています。
あらすじは、生活に余裕のない労働者の土工がセメント樽の中から
小箱を見つけるのですが、そこには恋人を労災によって
亡くしてしまった女工からの手紙が入っていて……というもの。
「私の恋人の一切はセメントになってしまいました」
女工からの手紙の内容がかなりショッキングで怖かったのを覚えています。
ネットで無料で読める青空文庫にも載っているので、興味があったら読んでみてください。
◆鏡/村上春樹 著
こちらも高校の現代文の教科書で読んだ村上春樹氏の短編小説。
あらすじは「僕」の家で来客たちが怖い体験談を語っており、
最後に「僕」もかつて中学校の夜警の仕事をしていたときに体験した、
鏡についての怖い出来事を話すことになるというもの。
終始「僕」の語りでお話が進んでいきます。
「人間にとって、自分以上に怖いものがこの世にあるだろうか」
ホラーというわけではなかったのですが、不気味だったので印象に残っています。
このお話とはあまり関係ないですが、家の鏡に向かって「お前は誰だ?」と
言い続けると精神状態が危うくなるという都市伝説を聞いたことがあります。
興味半分で試すのはちょっと怖いですね 笑
今回は教科書で昔読んで印象深かったお話を紹介させて頂きました。
教科書で色々なお話を読んだと思うのですが、その他に印象に残っているのが
定番の新美南吉の『ごんぎつね』や夏目漱石の『こころ』等だったので、
悲しかったり後味が悪いお話のほうが、どうにも記憶に残りやすいようです。
どういう基準で教科書に載るお話が選ばれているのか少し気になりました。
皆様の印象にも残っているお話はあったでしょうか?