
駅構内を歩いていて、本屋さんに並べられている本が目に留まりました。
『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信)
帯にはいつものごとく「大どんでん返し」の文字。
実はこの作品、何度か読んだことがあるのですが、
言うほどのどんでん返しを感じたことがなく・・・。
なので、毎回「そんなどんでん返しがあったかな?見落としてる?」と思い読み直すのですが、やはりそれほどでもない感じ。
Wikipediaによると、この作品は『最後の一撃(フィニッシング・ストローク)』に拘った作品で、
「オチは読めるが皆それを言うのを待っているという落語的なものを念頭に置いていた」ということらしいので、
この感想で概ねあっているような気がします。
と、話は逸れましたが、今回紹介するのはこの『最後の一撃』が印象的な小説。
『イニシエーション・ラブ(2004)』
まさか恋愛小説でこの驚きが味わえるとは!
今回のあらすじはザックリいきましょう。
Side-A
合コンで繭子と出会い、アプローチの甲斐あって付き合うことになった鈴木。
二人は順調に交際を重ねて思いを深めていく。
Side-B
就職し遠距離恋愛となったことで繭子との衝突が増える鈴木。
美弥子と浮気をしたものの繭子への思いを再確認。
キャンセルしたはずの約束の日に繭子に会いに行く。
オススメされて、読んだことないなぁと思って読んでみたら、
なんとビックリ読んだことがありました笑
確か当時は恋愛小説として読んでいた気がします。
内容はほぼ覚えていないのに名前だけ妙に見覚えがあるのは、
やはり仕掛けられたトリックのせいでしょうか。
今回はどんでん返しありきで読んでしまったので
なんとなくオチの察しはついてしまいましたが、
初見であれば全く予想していないところに“最後の一撃”がドーンと来るはず。
結構な衝撃です。
え、いつから?なんで?どこで?と思った時には、
その指はもう一度初めからページを繰っていることでしょう。
叙述トリックが秀逸ですが、なんと映画化もされているこちら。
観たことはないけれど、そちらも違和感なく話が進むようで、
原作の衝撃をしっかり味わうことができるみたいです。
映像だからこその騙しポイントが複数用意されているようなので、
未読の人も既読の人も間違い探し感覚で観ても楽しいかもしれません。
なんだかトリック系の小説が続いてしまっているので、
今度は別ジャンルの本を紹介できたらいいなと思います!