毎年、年末が近づくにつれ一年の速さに驚かされます。
今年何やったっけ?
などと考えてみると意外といろいろやっていたりするのですが、
それが10ヵ月前だということに衝撃を受けたりね・・・。
さて、そんなあっという間の一年ですが、
時を経てもなお変わらずそこにあり続けるものもあるわけです。
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この間、なんとなくインスタを見ていてとある写真が目に留まりました。
小さなお店の写真ですが、店名はシャーロックホームズミュージアム。
そして、その投稿にはこう一言添えてありました。
「Elementary, my dear Watson.」
(訳:初歩的なことだよ、ワトソン君。)
シャーロックホームズと言えば、な台詞だと思っていたのですが、
なんでもこれ、原作には一度も登場しない台詞なのだそうです。
舞台で上演した際に、主演のウィリアム・ジレットが用いたのが起源と言われています。
こんな感じで、由来をきちんと知らないけど、
なんとなく広く認知されている言葉ってありますよね。
同じく文学系で挙げてみると、
夏目漱石の「月が綺麗ですね」だったり、
シェイクスピアの「To be or not to be」だったり。
「月が綺麗ですね」は「I love you」の意。
ですが、漱石が実際そのように訳したとされる記述はないのだそうです。
この返答としてしばしば使われる、二葉亭四迷の「死んでもいいわ」も、
「I love you」の訳ではないと言われています。
シェイクスピアの「To be or not to be , that is the question.」は
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」という訳が有名です。
シェイクスピア四大悲劇の一つ『ハムレット』に出てくる台詞ですが、
文意的には「(復讐をせずに)このまま生きるか、(行きつく先が死であっても)決着をつけるか」という葛藤がにじむ一節の冒頭に当たります。
日本語訳はこれまで40以上出版されており、
そのどれもが様々な訳をこの一文につけているそうです。
現代で言えばインターネットミームやネットスラングなんかは、
言葉自体の認知が元ネタより先行している感じがありますよね。
実際、元ネタは知らないけど言葉は聞いたことあるというものは多いです。
ネットスラングがよりふんわりした意味へとすり替わり、
ライト層の人が用いて拡散、定着した言葉が多い印象。
と言っても流れは速いので定着している言葉はあまりない気もします。
夏目漱石やシェイクスピアのように、
100年経っても語り継がれる名台詞(名スラング?)は
既に生まれているのでしょうか。
個人的に息が長いなと思うのは漫画発の台詞たちかなと。
あと10年、20年後にはどんな言葉が残っているのかちょっと楽しみです。