皆さん、ディズニーのライオン・キングはご存じでしょうか？
動物達の王国プライド・ランドの王ムファサが、
弟スカーの謀略によって命を落とし、
その濡れ衣を着せられたムファサの息子シンバが
一度は国を追放されるも紆余曲折あって
スカーを打ち倒しプライド・ランドの王になる。というもの。
夏休みにこれの続編『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』を観たのです。
2ではシンバの娘キアラが登場し、スカーの義理の息子コブと仲良くなります。
コブはアウト・ランドに追放されたスカー派のライオン達と育ち、
母親からシンバへの復讐を刷り込まれているので、
キアラを介してプライド・ランドへ侵入し、
シンバの暗殺、王国の乗っ取りを目論んでいました。
結局はキアラとコブの友情もとい愛情は真実のものであり、
改心したコブは諸々を経てキアラのパートナーとなるわけですが、
いやはや、シンバの立場ってこれ・・・、となりまして。
シンバはかつて目の前で父を失い、それを自分のせいだと刷り込まれ、
子供ながら群れから追い出されて(多少楽しく)暮らしていたわけです。
そこに急に現れたナラ(幼馴染)に王国の危機だと担ぎ出され、
父を殺した自責の念に堪えながらも家族や仲間のために戦って、
真実を知り、復讐を果たして国を背負う決意をしたわけですよね。
ある種のトラウマを抱えているからか、
アウト・ランドのライオンには一層厳しい視線を向けていて、
コブがプライド・ランドに入ることにも懐疑的でした。
しかし、妻ナラから説得され信じてみた結果、
コブと一緒に出掛けている最中、スカー派の攻撃を受けて負傷。
実際にはコブが動かないことに痺れを切らした母ジラによる奇襲でしたが、
シンバはコブの裏切りと考え、コブの釈明を受けた上で追放を宣言しました。
信じた相手に裏切られる。
この苦い経験をシンバは父の死で経験済みです。
相手を信じることで支払った代償は偉大な父の死。
国を背負っている今、払うことになる代償は自分や家族だけでなく
自分を信じている王国の動物達のすべての命かもしれない。
そんなシンバですが、コブとともに立ち上がったキアラが、
対立するライオン達を説得して戦いを止めたことに子の成長を感じ、
二匹の言葉に応えてジラに和解を申込み、コブには過去の過ちを謝り一件落着。
偉大なる父の統治の後、スカーよりはましな王として即位して、
信頼はこれから得るんだろうな～という所で終わったのが1作目。
そして2作目になって起こる次世代の台頭に加えて、
長老であるラフィキが困った時に頼るのは父王ムファサの霊。
ムファサ以外にも祖先はいるのになんでムファサだけ？と思ってしまったりね。
なんか、王たれと育てられた挫折知らずの前王(しかも若くして勇敢な死に方をした英雄)と、
数々の挫折を経験し人間臭くなった現王(動物に人間臭いってのも変ですが)の、
カリスマの差っていうかなんて言うか・・・。
人間味ある王とカリスマの王、どちらがより良い王なのかちょっと考えてしまいます。
今年の12月に『ライオン・キング:ムファサ』が公開されるみたいなので、
ここでムファサの王たる所以を観て再考しようかな。
アウト・ランドの民との融和を経て、
大きくなったプライド・ランドを治めていくシンバの手腕は、
果たして融和の立役者となったキアラ＆コブの求心力に勝るのか。
そんなところも含めて、シンバって踏み台ポジションっぽいよなぁという感想になってしまったのでした。
