この映画ではないのですが、
映画が始まる前に流れる短い広告で、
「聴いたら呪われる」系のホラー映画が流れました。
大きなスクリーンの前で成すすべもなく
しっかり聴いてしまったので呪われたかもしれません…笑
話を戻しまして、今回観たのは2週間のみ公開されていたこちら。
ちなみにBLOGタイトルは有名なSF小説から。
今回はアンドロイドの映画を巡るので選んでみました。
『12ヶ月のカイ(2023)』
◆あらすじ◆
少し未来の日本。
WEBデザイナーとして働くキョウカは、
『パーソナル・ケア・ヒューマノイド(PCH)』と呼ばれる
人間と共同生活を送れる人工知能搭載アンドロイドのカイを手に入れる。
キョウカを幸せにするようプログラムされているカイは、
彼女の話を聞き、彼女の喜ぶ感情表現を学んでいく。
相手が人工知能と知りつつも、
徐々に共同生活者として以上の感情を持ち始めるキョウカ。
そしてついに、キョウカはそのお腹にカイとの子を宿してしまう。
この映画の公式HPには「SFサスペンス」と書かれていましたが、
確かにSFではあれどもサスペンスというよりは
もっと別の部分で訴求するものがある映画でした。
世界の映画祭で13の賞を獲得していますが、
それはこの作品自体が地域や文化を問わず、
普遍的な「社会の無意識」への向き合い方について
観た人に問いかけるような内容であるからかなと思います。
例えば日常的に使用することも増えた“人工知能”に対して、漠然と持つ危機意識や問題意識。
例えば女性の意思決定が社会やその性によって阻まれている現状。
(逆もまた然りなのでしょうが、
この作品は、女性が主人公で、その人生の選択を見ていくものです。)
AIに仕事が奪われる、というのは予てより言われていますが、
ここに生殖機能まで手に入れてしまったら、
果たして人間とロボットの違いはなくなるのでしょうか。
AIが自己意識を持って行動するのなら、
その命は人間と同じく尊重されるべきものと言えるのでしょうか。
SF映画の世界が着実に近づきつつある今、
いずれ人間たちはこれらの問題にも答えを出す日が来るのでしょう。
それがすぐじゃないといいなぁ、なんて他人事のように思ってしまいます。