日本語って柔軟な言語ですよね。
その要因は「品詞の概念が他言語よりも希薄だから」とも言われています。
英語が母語の日本語堪能な外国籍YouTuberの方が、
日本語の【前】が非常に分かりづらい!という動画を投稿していたのですが、
それを、身をもって体感した出来事があります。
それは家の行事で祖父母の家に帰省していた道中。
空港に降り立った私と妹は、
家までの道のりをタクシーで向かっていました。
似たような建物が並んだところに家があったのですが、
最後の角を曲がり家まであとはまっすぐ行くだけ、
となったところで運転手さんから質問が。
「どこらへんで停めましょうか?」
私と妹はほぼ同時に口を開きました。
妹「三軒前で停めてください」
私「三軒先で停めてください」
もちろん返事は「どちらに停めますか?」
そして改めて言い直しました。
「三軒先で停めてください」
この出来事を私はすっかり忘れていたのですが、
最近似たようなことが合ったと妹から報告が。
ビールサーバーを操作する時だったそうですが、
「レバーを前に倒して」と指示され、奥側に倒して、
結果泡のみのビールが生まれたようです。
本人曰く、自分から見た前の方向だから間違ってなくない?とのこと。
じゃあ手前に倒すときはなんて言うのか問えば、
「手前」とさも当たり前のように言われてしまいました。
「前」は奥で「手前」はこちら側ってややこしいことこの上ないですが、
もしかしたらそちらが多数派かもしれないので、
他の人の認識が気になるね~という所で一旦は決着。
時間が進行している時や、自分が動いている時など、
【前】の示す位置関係ってころころ変わるので
外国の方から見れば尚更理解が難しいフレキシブルな単語なのでしょうね。
皆さんだったら「三軒“前”で停めて」と言われたら、どこで車を停めますか?