「古いフィルムをスクリーンで観たい!」3回目!
この日向かったのは
【新宿武蔵野館】
1920年に創業開始の歴史あるミニシアターです。
監督ルネ・クレール没後40年ということで、
特別スケジュールが組まれていたので鑑賞してきました。
『ル・ミリオン(1931) 』
こちらも前回同様、足を運んだのが結構前なので現在は上映していません。
◆あらすじ◆
パリのアパートに暮らすミシェルは、
家賃や生活費をツケにしても支払えない程の貧乏画家。
だけどなぜか憎めない魅力を持つ男でもあり、
同じアパートの向かいに住んでいる婚約者のベアトリスがいながら、
他の女性とも浮気をしていたところをベアトリスに見られてしまい、
ちょっとした喧嘩になってしまう。
そんな中、アパートに逃げ込んだ義賊の男に、
善意からミシェルの置いていったジャケットを貸してあげるベアトリス。
しかしその中に入れていた宝くじが大当たりだと発覚!
行方不明のボロ上着の行方を巡って
アパートの住人から警官から親友から浮気相手まで、
町中の人々を巻き込んだドタバタ劇。
皆から見限られる前に、ベアトリスの愛も、宝くじも、
果ては滞納しているツケの完全返済の未来さえも、
ミシェルは取り戻すことができるのか!?
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余談ですが、
こんなに幸せな気分になれる映画を久しぶりに観たなと。
なんて言うことはないハッピーエンドなのにすごく満足感がありました。
映画館の雰囲気がアットホームなこともあり、
鑑賞中も穏やかな笑いがこぼれ、
鑑賞後にかつての青春を語らうご年配の方たちの
楽しそうな様子につられてホクホクしながら帰りました(笑)
この映画何かを思い出すなと思いながら観ていたんですが、
おそらくディズニー映画の『白雪姫』です。
馴染みのある、レコードのような音質も然ることながら、
歌と踊りと愛と友情とコメディと、あとは役者の“美”。
なんて言うんでしょうか。
現代で映画と言われれば、内容が凝っていたり、映像が凝っていたり、過激さで話題になったり、
はたまた役者や監督が有名だったりしないと話題に上らないじゃないですか。
そういうものではなく、本当に楽しむために作られた、
シンプルに、ただ楽しい映画です。
芸術作品ではあるんですが、すごく庶民に寄せられていて、
大衆娯楽という言葉がしっくりきます。
と思ったら、このルネ・クレールという監督は
世界的にも有名な監督というだけでなく、
下町を愛し、『下町の詩人』と呼ばれていたそう。
映画の雑学知識がゼロに等しい自分にも、
観ているだけでそれを伝えてしまうその手腕には脱帽です。
最後に、映画中にたびたび登場するフレーズを紹介して終わろうと思います。
「♪お金がすべてじゃないけれど あればやっぱりありがたい♪」
至言ですね。
ということで「古いフィルムをスクリーンで観たい!」全3回。
無事完走いたしました!
今回3つの映画館を巡りましたが本当に満足度が高かったので、
ぜひ皆さんも機会があったら巡ってみてください。