とうとう、漸く、ついに、映画探訪も50に到達しました!
長かったですね。ざっくり2年半でしょうか。
続けてきた自分を素直にほめたいと思います。
10の倍数回は数字にちなんだものや思い入れのある作品を巡っていましたが、
5回目ともなると首を捻ってしまいます。
が、ずっとタイトルを思い出せなくて探しに探した一作を
ようやく見つけたので今回はそれを巡っていきます!
『The fall/落下の王国(2006)』
◆あらすじ◆
無声映画のスタントマンをやっていたロイは、
撮影中の落下事故で下半身不随の重傷を負う。
その上、恋人を俳優仲間に寝取られ、未来に希望を描けない人生に絶望していた。
自殺をしようにもベッドの上から動けないため、
オレンジ摘みの最中に落下して骨折し入院中の少女に、
大量のモルヒネを持ってこさせようと画策する。
少女アレクサンドリアを懐柔するために空想の物語を聞かせ、
続きが聞きたかったらまた自分の部屋に来るように伝えたロイ。
アレクサンドリアはロイの物語に夢中になり、
ロイが語る復讐の物語も、無垢な少女の瞳を通せば光を帯びて、
救いのない物語の結末と共にロイの心情にも一筋の光をもたらすことになる。
何度も何度もいろんなワードで検索をかけてもひっかからず
この映画自体が自分の妄想だったのではとすら思えてきた頃に
一般の人が個人でやっている趣味ブログでようやく見つけました。
ありがとう、あのブログを書いていた人。
どうやら制作会社も配給会社も潰れ、版権も切れていているらしく。
どうりで見つからないわけですね。。。
この作品は何といっても数々の世界遺産で撮影された、
空想と現実が入り混じる圧倒的な景観美が魅力です。
様々な人種のキャストが身に纏うオリエンタルだけど
華麗でゴージャスな衣装も見どころで、一見いかつい衣装も
少女が身に着けることで一気に可愛くなるのも好きでした。
ちなみに、衣装のデザイン担当は日本人の石岡瑛子さん。
同監督作品「ザ・セル」でも衣装を担当したとのことですが
アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞したこともある人物だそう。
調べてみるまで知らなかったので、また一つ勉強になりました。
主人公の落下と少女の落下から始まった物語は、
何かが“落下”するごとに話が進んでいきます。
進むのは話だけではなく、主人公の気持ちだったり、少女の初恋だったり。
はじめの内は、ロイは自暴自棄になった嫌な奴で
無垢な少女をただ利用しているように見えていたのですが、
実は繊細な男で、何よりあの宝石のような眼差しから
根底にある柔らかい人物像が見え隠れします。
そりゃアレクサンドリアの初恋も奪っちゃうよなぁ。と。
初恋かどうかは知らないですけども。
興行的には今一つだったようですが(予算が高すぎたとか)
世界遺産を舞台とした圧倒的な映像美を楽しみたい方にはおすすめの一作。
(*ちなみに画像は全て24ヵ国ある撮影地の内の一つ、インドのロケ地。
インドって素敵な(不思議な?)建物がたくさんあって素敵な国なんですね)
(*サムネから「パンゴン湖」「チャンドバオリの階段井戸」「ブルーシティ」)
情景の美しさと鮮やかさは他に類を見ることがないような映画なので、
聖地巡礼のように撮影地を巡るファンが沢山いるそうですよ。
写真で見るよりも映画で観た方が色合いが絶妙です。
ここの色合いの違いは結構衝撃だったので、
気になった方はぜひ映画を観て、写真と見比べてみてください♪