今回の登場人物は全員同レベルの論理的思考が出来るようですよ。
問題)
とある愉快犯が三人の人物を部屋に閉じ込めてこう言った。
「白い帽子が3つ、黒い帽子が2つ。
この中からランダムに被せるから、
会話は行わずに自分の帽子の色を判断しろ。
自分が白い帽子を被っていると思う人間は外に出ていい。
目での合図や読唇などの不審な動きを見せた場合や、
誰か一人でも間違った場合は部屋ごと爆破する」
三人は順に顔を見合わせ、しばしの沈黙の後一斉に外に出た。
一体なぜ三人は自分の帽子の色が分かったのだろうか?
論理クイズでは割と初歩的な問題なので見たことがある人も多いかも。
頓智的な発想ではなくロジックで解けるので考えてみましょう。
皆に白の帽子を被せてくれる捻くれ犯人は置いといて、
大事になるのは当然ながらそれぞれが見ている色です。
問題文のポイントとしては「全員が順に顔を見合わせた」「しばしの沈黙」の二点。
仮に三人をAさん、Bさん、Cさんとしましょう。
まず初めに、確実に三人の色が分かるパターンは【黒2白1の時】。
黒は2つしかないので白の人は自分が白だと即座に確信出来ます。
その即決具合を見て、残り二人も自分が黒だと確信できるはずです。
でも今回、即座に席を立った人間はいませんでした。
これだけだと、全員白だと確信するにはまだ一歩足りない感じですね。
即座に席を立たなかった理由として考えられるのは二つ。
【自分以外の二人が白白】【自分以外の二人が白黒】の場合。
そして後者の場合には、
【白の人物が席を立たなければ自分は白】というのもわかるはずです。
では、沈黙の後になぜ全員白だとわかったのか、
Aさんになって考えていきましょう。
Aさんの視点で、目の前にあるのは白が二つ。
自分は白黒どちらもあり得るのでまだ判断が出来ません。
じゃあ自分が黒だった場合、BC視点では白黒一つずつとなっているはず。
で、ここからちょっと頭を使っていきます。
(Aが自身を黒だと仮定した場合に想定されるBの視点)
この時、Bさんからは『Aさんは黒でCさんは白』と見えているはずです。
そこで出てくるのが最初に述べた【黒二人なら白は即座に席を立てる】パターン。
ここでBさんが黒の場合即座に回答できるはずのCさんは未だ席を立っていません。
つまりこの時のCさんには『Aが黒、Bが白』と見えているということ。
ここまでくればBさんは【自分が白!】だと気がつけますよね。
でも実際には暫し経ってもBさんは席を立っていません。
つまり、【自分は黒という仮定自体が間違っている】とAさんは確信出来ます。
そしてその思考回路は全員に当てはまるので、
全員が同じ思考を踏んだ結果、しばし沈黙の後、
ほぼ同時に自身の帽子の色が白だと気が付くことができた、というわけです。
分かりましたか?