映画探訪を始めてから4月20日で一年になります。
こうしてみると月に2本のペースで巡っていたんですね。
外出自粛期間のお供にでもと書き始めましたが、
あの時はまさかここまで長引くとは思ってもいませんでした。
これからも引き続きお暇な時間のお供になるような
作品を巡っていきたいと思います!
最近韓国のポン・ジュノ監督作品『パラサイト~半地下の家族~』を観ました。
衝撃のラスト!みたいに言われていたので
期待していたのですが、ラストはそこまで
意外性のあるものではなかったかなと思います。
むしろ細かい伏線や目に見えない部分に対する
演者の表現力の方が見応えがありました。
ということで今回はパラサイト繋がりのこちら!
『パラサイト・イヴ(1997)』
◆あらすじ◆
事故で妻の聖美を亡くした生物学者の永島は、
生前ドナーをしていた妻の肝細胞を培養し、Eve1と名付けた。
Eve1は驚くべき速度で増殖し、ついには研究室から抜け出してしまう。
そこに居合わせた研究員の体を乗っ取ると静かに侵攻を始めた。
自身の遺伝子を完全な生命体とするため、
ヒトに成りすまし、自身と人間の遺伝子を
この世に生み落とそうと聖美の肝臓を移植された少女を狙うEve1。
もはや彼女の侵攻を防げるものは誰もおらず、
永島は愛する妻の記憶を騙るEve1と対峙することとなる。
考えただけでぞっとするお話ですよね。
あらすじではマイルドになっていますが、
結構えぐい方法でEve1が人々を侵略していくので、
観る人を選ぶ作品ではあるかなと思います。
Eve1は、「そこでその人にその態度をとるのかぁ」と
感心してしまうほど、相手のウィークポイントを的確に攻めていきます。
脅威となる存在の脆い部分を的確に絡めとるのに、
そこにあるのは計算でもなんでもなく生存本能。
ほだされたところで見返りがあるわけでもないのに、
それでも屈してしまう人間の心もこの作品の見どころです。
絵空事のようで、実は差し迫った危機かもしれない遺伝子の暴走。
原作者が実際に生物学の研究者ということで、より一層現実味が増しますよね。
密かな人気作品なので、映画のほかに漫画・ゲームなどにリメイクされていたりします。
1997年の映画ですがさほど古い感じもしませんでした。
むしろ、あらゆる技術が発展した今だからこそ、
当時よりもリアルに感じられる部分も多いかもしれません。
もしかしたら、今もどこかで利己的遺伝子Eveが浸食を続けているのかも・・・。