夏になるとチョコレートのお菓子があまり店頭に並ばなくなるので、コンビニに寄る回数が減りました。
寒くなると新作のチョコもたくさん出るので、
秋が待ち遠しいですね。
今回のおすすめの本は、そんなチョコレートにまつわる漫画をご紹介。
イギリスの子供向け連続ドラマが好評を受け小説化された
「Bootleg」が原作になっている漫画で、日本語タイトルは
『チョコレートアンダーグラウンド』
◆あらすじ◆
どこかの国のどこかの町。
大人が投票に行かなかったために、
健全健康党なる政党が選挙で勝利する。
お菓子やジュースが体に悪いものとして、
食べる物を厳しく取り締まるようになると、
学校のお弁当やデザートまで管理され、
違反すると厳しい罰を受ける社会になってしまった。
そんな社会に反発した子供たちが立ち上がり、
チョコレートの密造・密売を始めるも、
密告者により存在を知った健全健康党はこれを許すはずもなく…。
子供たちと国との、チョコレートを巡る攻防戦の行方は如何に!
もともとが児童向けの小説だったこともあり、
内容はわかりやすく読みやすいです。
けれども政治についてや、意見を持つこと、行動することの大切さを投げかけているので、
子供向け連続ドラマとしては本当に相性がよさそうですね。
漫画の絵柄とチョコレートを題材とした世界観がリアルさを緩和し、
ファンタジーのような冒険譚のような読後感となっています。
主人公は聡明で控えめなハントリーと、
正義感の強いムードメーカーのスマッジャーの親友二人組。
それに漫画オリジナルの少女ルイーズを加えて、
三人でチョコレートバーを運営していくんですが、
小さい頃の、妄想を交えたごっこ遊びに現実が付随しているようで、
十代前半に刺さるんじゃないかなぁ、と勝手に思っています。
正反対だけど大の仲良しの二人は中学3年生。
(ちなみにルイーズは年上の16歳)
大人が仕方ないと諦めてしまったものも、
まだまだ諦めきれない。
正義感と焦燥感、使命感と優越感。
ティーンエイジャーだからこその感覚が彼らを突き動かします。
私個人の感想として、
この物語の鍵を握るのは、子供たちを見つめ、
示唆を与え、支える周囲の大人達の存在だと思っています。
子供達は、何にでもなれるからこそ間違えてはいけない。
自分たちが間違ったのなら、子供達に背負わせてはいけない。
突っ走りがちな子供達に選択肢を示してあげること、
否定せずに見守ってあげること、
間違えたのなら叱ること、
そして、自分が間違ったのなら反省すること。
たかが児童小説、されど児童小説。
大人が読んでも気づきがある、そんな良作でした。